「告るって…、誰が誰に……?」


訳がわからないって、顔をしている先生の言葉を信じたいけど、心のどこかで、この場をどうにか繕っているのか? と疑いたくなる自分がいる。



「先生が、香川先生の事、好きなの? 告ったの?」



俺は少しだけ、少しだけ焦る。

ここで、頷かれたら俺は絶対に落ち込むな。ってか、香川先生に告っておいて、俺の告白を受けるって…。



…もしかして、キープ君?



「…何、言ってるかわからないよ葵君…」

眉を八の字にして、カクンと首を傾げている先生は微妙にかわいい。


「香川先輩はね。いい先輩だよ? 入学した時からお世話になっている人よ?」



まっすぐ、僕を見ながらも恥ずかしそうに時々、視線を外して胸の前に二つの手がコブシになっている。

…何となく、緊張してるのかな? 雰囲気で感じ取った。