「じゃ…、私のお願い。ひとつだけ、聞いてくれる?」



欲しかった言葉。たった一人の人からの言葉に俺は嬉しくて、もう一度キスをしたかったけど、先生からのお願いという言葉を聞かされた。


「…何?」


何をお願いされるのかとドキドキする。
けど、そのドキドキの中で目の前で動く唇が俺を誘惑する。



「私の…名前、呼んで?」



…我慢が出来ない。
…けど、先生のお願いも叶えたくて…。

ゆっくりと重なる手。
ゆっくりと近づく唇。





「ゆ、結花…」




重なるキス。
何度も夢の中で呼んでいた先生の名前。
先生の前でも『先生』なんて言った事もなかった。
もう、止まらない。


何もかも…。
先生の名前は結花。
俺には特別な名前…。






【Happy End】