柔らかい印象は、俺の暴走を易々と止めてしまった。


困った事に、キスをするなんて俺は初めての事で、重ねられただけのキスだけで、それ以上どうすればいいのかわからず、固まってしまったのが正直な話。



「好きだ…。俺、あんたの事が好きだ」
「葵君…」



「拒否しないで…。拒否られんのが怖くて、あんたに嫌な態度とってた。あの時も髪が邪魔なんて言ったけど、あんたの顔、見たかったんだ」


「…あ、おい…くん」


先生を抱きしめたまま、先生の首筋に顔を埋めていると、洗いたてのシャンプーの匂いが俺の鼻を刺激する。

それに惹かれるように、ワザと先生の首筋に軽くキスをする。後も残らないように、唇を当てるだけのような簡単なキス。

抱きしめた先生の背中がイヤに熱く感じる。