最後には脱力と共に情けないくらい、自分の癇癪と苛立ちが爆発した。




ダン!!




「俺は、…あんたが…」
「あお、い君…?」

好きなんだ…。その一言を口にしたのに、声がかすれてしまった。

「何? 葵く……ッ!?」




もう、どうにでもなれ! 嫌われてもいい…。
けれど、先生の人生の中で俺と言う存在を少しでも刻み付けたい一身で、細い体を抱きしめてキスをした。



その時の記憶は、逆に俺は霧がかかったような印象しか残っていない。

「ん、んん…ん」


以前、先生の印象がマシュマロだった。





それが、唇。