飲んでいたコップが指から落ちてしまいそうになるのを必死に堪え、頭を動かそうとするけど…茜の言葉が何度も何度も頭の中で響き渡る。



何を言っているんだ? だって、香川先生だって茜の事が好きなんだから…断るに決まってるだろ?



「せ、先生もどうしようかって…私に相談してきたの。ねぇ…葵ィ、どうしよう…」


携帯をギュッと握り締めて、もう片手を俺のシャツを掴んでいる。その手が、小刻みに震えている。





茜の顔は俯いていてわからないけど、悲しそうな顔をしているのがアリアリとわかる。



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