予想通り少年は隣に座った。


瑠夏と喋りながら横目で少年を見た。

帽子で顔がみえないけど…
同い年くらいかな?

すると、また目があった。

「ねぇ。」と、少年が私の方による。

ぇ?

たまたまだよね?


瑠夏の方に向き直り、話しかける。

「私に話しかけてる?」

小さな声で聞いた。

「多分…。知り合い?」

私は首をふった。

「まぁ、しゃべってみなよ。」

えー…

でも、ここは頷くべきだよね?

私は、小さく頷いた。

少年の方を向く。

「私?」
「うん。」

少年は、頷く。


なんだろ?

私、なんかやらかした!?


少年は私の顔をジーと見る。


え!?
私の顔なんかついてる?

というか…
恥ずかしいよぉ…


だんだん顔が熱くなる。

「プッ♪やっぱ!」

少年は赤くなる私を笑ってから言った。

「へ?」

私は、多分間抜け顔をした。

だって…
また笑った…〃〃

恥ずかしい…


少年はため息をつく。

「やっぱわかんないか…」

少年は帽子を少しあげる。

「あ!」

昨日の!!

「わかった?」

少年は帽子を元の深さに戻した。

「うん♪てか、なんでそんなに深く帽子被ってるの?」

昨日は被ってなかったのに。


聞きながら横目で瑠夏を見る。

瑠夏は鞄から本を出して読んでいた。

「あー、これ?秘密♪」

少年はそう言って笑った。

笑顔が似合う人だなぁ。

「なんじゃそりゃ!」
「ハハッ♪てか、よく会うね!」
「2回しかあってないよ?」

そう言って私は少年をからかうように笑った。

「んー。でも、よく駅でみたよ」


そうなのか!

話してなかっただけかぁ。

でも、おかしいなぁ。
奏に似てるからすぐ気づくはずなんだけどなぁ…


「あ。ストーカーじゃないよ?」

焦りながら少年が否定する。

「ストーカー(笑)わかってるって♪でも、気づかなかったなぁ…」
「そう?ならいいや♪てか、名前何?」

あ。
そういや、君とかで会話してた(笑)

「水瀬 菜桜だよ♪そっちは?」

少年は、少し悩んだ様な素振りを見せた。

「どうかした?」
「イヤッ。なんでもないよ」
少年は首をふる。

「で、名前は?」

少年は「うん。」と頷いてから

「蒼井 奏。」

といった。