「ママありがとッ!」

私はママに手をふりながら車をおりた。

時刻は、6時56分。

いつもの駅での待ち合わせ場所まではまだある。

「走れば余裕だよね」

私はいつもの場所までかけた。



瑠夏だっ!

いつもの場所―パン屋の横のベンチにパンを食べながら座っている瑠夏の姿を見つける。


「瑠夏ー!」

瑠夏が私に気づき、手をふる。

「ハァハァ…ごめん。遅れた」

瑠夏の元で息を整えながら言う。

「いいよ♪てか…」

瑠夏が携帯を開いて見せてくる。

「ん?」
「ここ。」

瑠夏が指したのは時刻の示してあるところ。

「あ!」
「うん。ピッタリ」

なんかわかんないけど喜びが込み上げてきた。

「菜桜ー?行くよー」

瑠夏が改札を指差して言う。

「えー!まってー!」

私は急いで瑠夏を追いかけ、定期で改札を抜けた。

「んで、服買いに行くってどこいくの?」

私達は駅のホームで話し合う。


まぁ、改札抜ける前に決めとけよ!
って感じなんだけどさ。

降りる場所はだいたい決まってるから
地下鉄次第だから…


「んー…。」

私はベンチに座りながら考える。

「やっぱいつものとこ?」
「うん。」


いつものとことは、私の好きなブランドがたっくさん入っているデートのこと。


「じゃあ、行くよ。」

瑠夏が丁度きた電車を指差しでいう。


なんか
毎度毎度タイミングいいなぁ…私たち。


「はーぃ♪」

私たちは電車に乗り込む。

「あ!瑠夏あそこ空いてるよ!」

空いている席を指差し言う。

で、瑠夏の手をひいて座る。


私たちが降りる予定の駅はまだ先だ。

でも、なんかわかんないけどまだ電車出発しないし。

事故とかではなさそうだし、時間の調整かなんかかな?

出発まで時間あるし。

「あと少しで出発だね。」

私は携帯を開き、時刻を確認していった。

「うん。あ、コンサートおめでと。」

興味無さそうな顔で瑠夏が言った。

「ありがと♪」

私が笑顔で瑠夏に返したのとほぼ同時に帽子を被った少年が電車に飛び込んできた。

「ふー、間に合ったぁ…」

走ってきたのか息が荒い。

少年と目があった。

少年がこっちに来る。
多分、私の隣が空いているからだろう。