ピピピッ

「ん?」

私は頭の上の時計を手に取る。

時刻は、6時25分。

「やばいー!」

7時集合なら最低6時には起きなきゃなのにー!

間に合わないかも…!

家から駅までは約10分。

ということは…
25分以内で準備!?


「あー!考えてる場合じゃないー!」

私は慌ただしく準備を始めた。


昨日、ハンガーにかけてあった服を取り、着替える。

荷物を鞄に詰めて、それをもって1階にドタバタと降りていく。

「うるさいなぁ…」

凜が寝癖だらけの頭で文句を言ってきた。

「ごめんごめん…」

私は手を合わせて謝る。

凜は「はぁ…」とため息をついてから「ねよ…」と部屋に戻っていった。


「えーと、何するんだっけ?」

少しの間考える。

「あー!!メイクメイク!」

洗面所に駆けていき、鞄からメイク道具を出す。

ついでに携帯を開いて時間をみた。

時刻は、6時38分。

7時まではあと22分。

「最終手段を使うか…。」

ため息混じりに言う。

「菜桜どっか行くの?もしかして…デート!?」

丁度いいところに最終手段のご登場♪

「うん。まぁ、残念ながら男子とデートではなく、瑠夏とデートです!」

私は、笑いながら言った。

「つまんないなぁ」

いじけるママ。

「あのさー…もう時間ないから送って♪」

少々上目遣いを使いながら言った。

ママはちょっと不機嫌な顔をした。

「何時に集合なの?」
「んーと、駅に7時!」

笑いながら言った私を見て、ママはすぐさま時計をみた。

時刻は、6時46分。

ママは「はぁ。」とため息をついてから

「わかったからもういくよ!」

と、私を急かした。

「はいはーい♪」

私はすぐにメイク道具を鞄にしまい、車へと向かった。


車でいけば5~7分くらいでつくはず!