「菜桜!!電車来てる!」
瑠夏が私をせかす。
「わかってるー!」
私も瑠夏も必死で走った。
「あー!!ギリギリ間に合わなかったぁ…」
荒い息で私は言った。
それを無視して瑠夏はすたすたとベンチへ向かっていた。
「えー…ちょ、瑠夏ぁ…。」
私も瑠夏の方へ行こうとする。
「プッ」
え…?
誰か笑った?
私は後ろを振り返る。
「君面白いね!」
その人は一生懸命笑いをこらえながら言っていた。
そんなに可笑しかったかなぁ?
でもこの人…
なんか奏に似てる!
…でも、、、
他人の空似なんだろうなぁ…。
「んー…」
何てかえそうか迷っていると電車が来た。
「あ。俺、これ乗るから。じゃあね♪」
その人は電車に吸い込まれるように駆けていった。
さっきのひとが言ってから少し経って瑠夏がこっちに来た。
「次、乗るよ?」
「うん♪」
それにしてもさっきの人なんなんだ!
いきなり笑うなんて…
「乗るよー」
瑠夏が私の手をひいて電車へ向かう。