…ハズ…だった。

「…な…お…菜桜!起きろー」

瑠夏が揺すりながら起こしてくる。

「んー…?瑠夏?」

目を擦りながら瑠夏をみる。

「もーすぐ、つくよ?」

あっ!
瑠夏とお出掛けしてたんだった!

「瑠夏。ありがと♪」

瑠夏に笑顔で言う。
でも、瑠夏は少し苦笑いした。

「んー…私にお礼言うよりその人にいった方がいいかも。」

瑠夏は私の隣の人を指差す。

「え?」

瑠夏と隣の少年を交互に見て聞く。

「菜桜ずっとその人の肩で寝てたんだよ」

瑠夏が苦笑いをしながら、少年に「ね?」とやった。

帽子を被ってたからあんまりわかんなかったけど多分?
少年は苦笑いしながら頷いた。

「えぇ…あー!ごめんなさい!」

私は土下座をする勢いで謝った。

「いや、いいよ」

少年は笑顔で笑って降りていく。

「菜桜。私たちも降りるよー」

瑠夏が立ち上がって言う。

「ぇえ、あぁまってー!」

私も急いで降りた。

瑠夏を追って少年とすれ違うとき少年がクスクス笑ってた。

あれ?ん?
なんかこの声聞いたことあるよーな…?

「あっ!!!」

少年を指差す。

「え!?」

隣を歩いていた瑠夏も少年も驚いて私をみた。

「君、この前会った!?」

うん。絶対間違えない。
あの最低な"藍沢奏"だ!

「あー、ばれた?うん。君、電車乗り遅れてたよね」

゛そっくりさん゛は、少し笑いながら言った。

「え?あの、そっくりさん?」

瑠夏が耳元で小さく聞いてくる。

「そそ。」
「ぇえ…なんかすごいね。今日」

なんか、瑠夏感心してるし(笑)

「うん。やっぱ君、面白いね」

そっくりさんはなんか爆笑してるし…

なんか、この人本当最低だー…なんだよ。面白いって。

「特に面白くないッス!じゃあ!」

瑠夏の手を引いてその場を逃げる。