「「ごちそうさま!」」

二人ともほぼ同時に全ての皿を空にした。

「んじゃ、行く?」

瑠夏が鞄とレシートを持ちながら席を立つ。

頷き、それを追う。


「美味しかったねー!」

出入り口をチラチラと振り返る私を横目に瑠夏が話しかけてくる。

「そうだねー次どこいく?」
「んー、どこいこ?結構買ったしねー…」
「うんうん。他のとこいく?」
「え、でも…。」

離れていってしまった店の方を振り返る。

「だよねー…。」
「でも、コンサートでも会えるし…奏の邪魔になりたくないし…」

もう一度、店を振り返るとさっきまで店にいたファンが大量に出てくる。

奏帰っちゃったのかなー…

「じゃあ、遊園地いかない?さっき財布で見つけたんだけど…」

と言いながら瑠夏がチケット?みたいなのをヒラヒラする。

「え!行きたい!これこの前雑誌で奏が行ってたところだよ!」

思わずチケットを持つ瑠夏の手を掴む。

「優待券なんだけど今日までだったんだよねー…(笑)」
「行く!行く!てか、行かせてください!」

瑠夏の手をブンブンと振る。

「わかったわかった」

瑠夏が苦笑いしながら私を離す。


こうして、私たちはショッピングモールをあとにした。