ドリンクバーを、かけつけ2杯。

小腹がすいたので、フライドポテトとウインナーの盛り合わせを頼んで、二人で分けて食べた。

東京に来て、竹内さんとポテトをつつくなんて。

想像もしていなかった展開だ。

やがて、竹内さんが口を開いた。

「・・・クラスの誰にも言わないって、約束できる?」

私は即答する。

「もちろん!だって、私が話せるような人、クラスにいないじゃん!」

私が笑ったら、竹内さんの口元も緩んだ。

「あのね。私、ダンサーになりたいんだ。それが私の夢なの」

子どもの頃から、ダンスが好きだったこと。

親に反対されているけど、こっそりダンスを続けていること。

東京には、オーディションのために来たこと。

オーディションの一次審査に合格して、明日の二次審査に進めることになったけれど、親が送り込んだ刺客に追われて逃げていた途中で、私にぶつかったこと。

宿泊予定だったホテルには、既に刺客が張り込んでいて行けないこと。

竹内さんは、一つ一つを丁寧に、私の目を見ながら話した。



・・・え?「刺客」って何?