「あ、すみません!」

跳ね飛ばされたのは私のほうだったけど、とりあえず謝った。

だっていちゃもんつけられたら困るし!

ぶつかった感触は女の人だったけど、なんだかやばい人にぶつかったような気がする。

ハードボイルドな黒のタンクトップに、黒のホットパンツ。

メタリックなブレスレットみたいのが重ねづけされている、腕も見えた。

この人、女の殺し屋?

相手は立ったまま、何も言わない。

や、やばい。怒ってるのかな?

私は、恐る恐る相手の顔を見た。

そこにいたのは、殺し屋よりも意外な人だった。

「竹内さん!」