「こっちには何時頃着くか

教えてね」

お父さんからメールが来た。

・・・お父さんちに何時に着けるか、私のほうが知りたい。

スカイツリーで遊んだ後、お父さんちに向かっているはずなんだけど。

着かない。さっぱり着かない。

夏の気長な太陽も、とうとうしびれを切らして沈みかけている。

日没前に着きたかったのに、どうしよー!!

お腹もすいてきたけれど、一人でレストランは寂しすぎてできない。

日が暮れると東京の街は、昼間とは違った空気に変わっていく。

誘うように輝くネオンの灯りに、戯れる人たち。

暑い空気に時折混ざる、生ゴミの匂い。

夜の公園にたむろしている若者たちが、ちらちらこっちを見ているような気がする。

やばい、早くお父さんちに着かないと!

歩くスピードを上げた、そのときだった。

路地から飛び出してきた人に、ぶつかってしまった。