新幹線は加速をつけて、日常からグングン遠ざかっていく。

乗換えを含めて、大都会東京まで二時間。あっという間だ。

家から高校まで、バスとか鈍行電車を乗り継いで同じ時間かけて通っているのが、なんだかバカみたい。

心をふさいでいた悩みが、遠ざかるごとにどんどん小さくなっていくのを感じた。

よし、せっかくお父さんちに行くんだからね。

学校のことは忘れて、楽しもう!!

久しぶりの東京だからね、スカイツリーとか見ちゃおうかなあ!

私も、ワクワクしてきた!

終点が近づくと、新幹線は地下のトンネルに潜る。

窓に映った私の顔は、久しぶりに自然に笑えていた。