お弁当を一人で食べれる場所を探して、校内をさまよった。
みんな、それぞれの居場所で友達と昼休みを楽しんでいる。
私だけが、どこにも居場所がないように感じた。
外に出てみよう。外だったら、私一人が身を隠せる場所があるはず。
そう思って昇降口へ行くと、そこで竹内さんに会った。
今日も校舎の裏のほうへ行くらしい。
思わず、言葉が口をついて出た。
「ねぇ、竹内さんってどこでお昼食べてるの?」
竹内さんは、私の真意をはかるように、じっと私を見た。
「なんで?」
「なんでってそれは・・・」
あまりにも真っ直ぐに見つめられて、私は思わず視線を逸らす。
「よ・・・良かったらご一緒したい・・・かな、と」
本当に竹内さんとご一緒したいのだろーか。そんな思いが、「かな」に表れた。
竹内さんは確かに、クラスの中で唯一、私に対する態度を変えていない人だ。
でもそれは、竹内さんが最初から私と(クラスのみんなとも)打ち解ける気がないだけであって・・・
正直、こわい。
でも、あの教室で一人でご飯を食べるつらさに比べれば、まだ竹内さんと一緒のほうがマシだ。
竹内さんは、そんな私の心の中をお見通しだった。
「私は、一人で食べたい」