ぶーちゃんが、びくっと反応する。

由奈だった。

「ぶう、こっちに来なよぉ」

由奈はいつの間にかぶーちゃんを「ぶう」と親しげに呼んでいた。

ぶーちゃんの目が思い切り泳ぐ。

・・・そうか。

ぶーちゃんは、多分由奈に「ばんびなんかとご飯食べてないで、一緒にご飯食べようよ」と誘われていたのだろう。

私を傷つけたくなくて、今までなんとかごまかしてきたのだ。

由奈の声には、いら立ちが混ざっていた。

―――これ以上私の言うことを聞いてくれないと、ばんびと同じ目にあうよ?

そんな無言の圧力を感じた。

少しの間のあと、ぶーちゃんは

「うん、今行く」

そう言って席を立った。