「いやです」

即答した。当たり前だ。

「ね、気持ちは分かるけど。無理矢理続けたって、楽しくないでしょ?お互いに」

赤松先輩が説得にかかるけど、私はやっぱり

「いやです」

即答した。

部活が居心地悪いことこの上ないのは確かだけれど、いま辞めたらまるで逃げるみたいだ。

そんなことでは、お母さんとの約束を守れない。

「なんで私だけなんですか!飯野さんとかは」

部長と赤松先輩が言いよどんだのを見て、及川先生が口を開いた。

「森永、誤解しないでほしいんだけど、森永が犯人だから部活辞めろって言ってる訳じゃないよ?これは部の雰囲気を壊さないようにするためなんだ。分かんないかなあ」

「分かりません。それなら、みんな退部したらいいと思います」

「それじゃ、人手が足りなくなるし」