男の体が宙に浮かんだ。


エッ???


拳に気を取られて、何があったのか良く見えなかったけど、


今のユタヤ姿勢を見ればわかる。


ユタヤが真っ直ぐ地面と平行に伸ばした足を元に戻した。



男の拳ばかり気になっていた私は、ユタヤが蹴りを入れた事に気が付かなかったんだ。



ユタヤの頭の後ろには、目が付いているんじゃないかと思うようなな神業。


ゆっくりと倒れた男横に近付くユタヤ。


ユタヤは男の前に立って、
ブルーの凄味のある眼で睨みつけている。


「女の前で、喧嘩とかさせんなよ。
殴り合いとか、
マジだせぇ…。」



そういうと、いつもと同じ表情で私に笑顔を向ける。


「行くぞ。」