「じゃぁ、お昼にしましょ。」


説教が終わると、既に昼の時間を過ぎていて、スミレのお母さんの機嫌も良くなった。


「スミレと恵チャンは着替えてきなさい。」


スミレと恵チャンがリビングを出ると、スミレの母親が俺に言った。


「スミレが帰ってこなくて、本当に心配してたのよ。これからは連絡を下さいね。一志クンも、気付いたらスミレに言ってちょうだい。恵チャンにもね。」


『はい。』


「ところで…。キミ達は、焼きそば作れる?」


「はい…?」



俺と一志は6人分の焼きそばを作った。


野菜を切っている途中で、
恵チャンが「昨日の荷物に紛れてた。」と言いながら財布を持って来た。


財布が見つかって良かった。



お昼を食べ終わると



いつの間にか、スミレの母親は俺の事をユタヤクンと呼ぶようになっていた。



スミレの弟は「先生は大変だな」って言いながら俺の背中を叩いた。



弟の言っている意味がわからなかったが、大好きなスミレの弟と母親と俺の距離が少し近付いた気がした。