不思議な物を眺めるように、俺の事を観察する一志(カズシ)。


「外見って凄いな。さっきまでチャラ男だったユタヤが、いきなり真面目に見えるんだからな。お前の性格からして、すぐバレルだろうけどなぁ。」


「スミレには俺の性格、ばれたよん。外見チャラ男はばれてないけどね~。はははぁ~♪」


俺は、一志の言葉を軽く笑い飛ばしながら、髪の毛をムラ無く染める。



「スミレって誰?」

シマッタ!


俺が家庭教師をしているのは、一志も知っている。

でも、女だって事は言ってない。


言ったら絶対コンパしろって言うに決まってる。


「…カテキョの生徒…。
だけど!!スミレは気が強すぎる!危険だ!!きっとアイツの友達も気が強い奴らばっかりだ!!」


「へ~。それで、顔は?可愛いの?」


ニヤリと怪しい笑みを浮かべた一志に、本当の事なんて、言えるわけが無い。


スミレは、性格には多少の問題はあるが、喋らなければ可愛い奴だ。


カテキョには、何度か行ったが毎回「帰れ」と言ってくる。


俺は、その度にうるさいスミレにキスをする。



「どうなんだよ?可愛いのか?可愛くないのか?」



一志は俺の返事を急かす。