「来月も、スミレの勉強見てあげて下さいね。」


俺は、ゆっくり頭を上げた。


「エッ?は、はい。」


「恵チャンも、昨晩はユタヤ先生の家に泊まったのよね?」


「はい。」


「じゃぁ、何も無いとは思うけど…」

話を止めて、俺達の顔色を伺うスミレの母親。



何も無い?


いや。何も無いわけじゃねぇけど…。言えねぇ…。



俺は隣に居る一志の顔をチラッと見た。



真剣な顔に時折表れる気持ち悪い笑み。


まさか!!


「お前、俺んちで何かしたのかよ!」