先生っていうのは、こんな時でも、上手い言葉が喋れるんだろ?


俺には、これで精一杯なんだよ。


スミレと居たいから、カテキョ辞めるって考えしか思いつかねぇ。


どっちも取るなんて、まだこんな歳の俺には考えつかねぇ。


まして、スミレと付き合えねぇなんて、もう考えられねぇくらい、スミレが好きなんだよ。


「俺、スミレさんの事、好きです。」


頭を下げてる俺の前に、スミレの母親の気配が近づいた。


「チョット、いじめすぎちゃったかしら?もう頭を上げて下さる?」


俺は、ちゃんとわかって欲しくて頭を下げたまま。



「スミレの家庭教師は、成績が上がって実績が出ているのに、辞められたら困ります。」


エ??



俺、首じゃねぇの?