「先生、次も宜しくお願いしますね。」

お母さんは、丁寧に頭を下げる。


「はい。こちらこそ宜しくお願い致します。」


何が、宜しくよ!!





私は、玄関のドアが閉まると、リビングに向かうお母さんを追いかけた。


「お母さん!!あの家庭教師辞めさせて!!」


「あら?早速クレーム??優秀な先生なのよ?」



キスする先生が優秀…?


「なんかの間違えじゃない?」


キスの事はお母さんには言いにくい…。


「スミレチャン好みを選んだのよん♪」


「全然、好みじゃないし…。」


あ~。お母さん、お話にならないよ…。



「私の眼に狂いは無いわ♪懐かしいわ~♪」


「エッ!! なに??」


「何でもな~い。」


はぁ~。全然ダメだ…。