花火大会がやってきた。


俺と一志は、場所を取る為に先に土手に向かった。


「お。あの子達、かわいいじゃん!」


彼女が居ても、他の女に目移りする一志は、俺がどんな気持ちでスミレと付き合ってるかなんて、知りもしない。


俺は、スミレと付き合うようになって、ずっと悩んでた。


スミレの家から給料貰って、スミレまで貰っちゃいます。なんて、フザケタ奴だろ?


スミレの両親に合わす顔が無い。


だから、スミレが一緒に行きたいって言ってた旅行も行かない事にした。


あんなにしてたキスも、
スミレと付き合い始めてから、余り出来なくなった。


スミレの両親を騙してるみたいで、制御してたんだ。



「ユタヤ、また顔が暗くなってるぞ。」


俺、暗い顔してたのか?


俺って、顔に出るのか?



「実はな、俺…」


俺は結局、俺の気持ちを一志に相談した。