ユタヤは、着ていたジャケットを脱いだ。

中は、白い半袖の麻のシャツ。


「じゃ。これ掛けてろ。」


私の頭の上にフワッと被せた。


「要らないよ。大丈夫!」


「いいから、掛けてろよ。」


「大丈夫だってば!マジ、要らな…」


私の言葉を遮る為にユタヤの唇が私の口を塞がせる。




たった一瞬の唇が触れ合うだけのキスでも…

一瞬でも、辛いんだってば…。



このジャケット、ユタヤの香水の匂いが染み付いてるよ。


今は、この香りから離れたいんだよ。


優しくなんて、しないでよ。



これ以上、
好きになりたくない…



「要らないってば!!」