「一志、これ傘買わないとやばくね?」


「じゃぁ。そこまで走るか。」


一志クンの指先は、斜め前のコンビニ。



一志クンが恵の手を握ったのを、私は見逃さなかった。


「先、行くぞ。」


一志クンは恵と一緒に雨に向かって走り出した。



何か、あの2人、いい感じじゃん?


今日、会ったばかりなのに、前から知ってたみたいな感じ。



恵みも一志クンの事、イイって言ってたし。



何か合ってる!!





「スミレ、走れる?大丈夫か?」


ん?変な事訊くユタヤ。



雨が強いからって、
恵だって走ってるのに、走れないわけ無いじゃん。


「大丈夫。」

雨ぐらい大丈夫。