陽が西に傾き始めた。


 緑が鬱蒼と生い茂った森は薄暗く。


 さっきより、視界が暗い。




「ルナなの?」



 前方で、聞き覚えのない声。




 誰だろう。カナテは、ルナとティカに駆け寄った。


「シャーン!?」


 ルナが叫んだ。


「そうよ、ルナ。あの日は別れも告げず、いなくなってゴメン」


 ルナの会話相手は、妖精(エルフ)だった。