!!


 目の前に、カナテの顔があった。


「ぎゃっ!!!」



 ビシィィッ!!



 とりあえず、平手打ち!!


 カナテの体が飛んで、坂をゴロゴロ転がり落ちて行った。


 あれ、ここ、浜辺じゃない…。



 ルナの眼に映るのは、遥か上にある、水面。


 天へ昇っていく気泡たち。


 泳いでいるというより、飛んでいる魚たち。


 今頭の上にあるのは、大木の根だった。