ワニに噛まれた腹部の肌も引きつっている。


 イヴァンにナイフを当てられ、小さく切れた首。


 雪山で捻挫した右足首は、まだ熱を帯びている。


「えへ」

「えへ、じゃないわよー」


 ティカが、大きな湯船に足を入れながら。暑い湯は苦手な彼女は、目にも止まらぬスピードで湯から足を引き上げた。


「ま、仕方ないない。傷はデキる物なんだよ」

「呑気ねー。ま、アンタはこんな傷だらけでもモテモテだものね」


              ☆


「なー、ゲルブ。俺、まさかとは思うけど…」