「東洋の民間料理でさ、そっから輸入したんだ。パロでは最近の一番人気の食べ物だよ」 カナテが、説明した。 「どんな食べ物なんだ?」 「ま、見てからのお楽しみで。説明は面倒だから」 宿に荷物を置き、再び外へ出る。 「ほら、ここ」 ローマでは見かけない、屋台だった。ドアも窓もない、いわば外から丸見えで話も丸聞こえの店。