カナテも、ルナの姿を見つけてこちらに走ってきた。


「どうだって?」


 ルナは、ゲルブに言ったのと同じ答えをカナテにも告げた。


「ちょっと、一人にしてもらってもいいかな。眠りたいの」



 二人が立ち去る。


 ルナは目を閉じた。


             ※



 …あれ?


 ルナは、目を疑った。さっきまで、ティル・ナ・ヌグにいたのに。


 ルナは、谷にいた。