「はい。樫の巨木の若い一枝を譲っていただきたいのです」 マオナンが、小さく唸った。 『汝、あの巨木が何のためにあるかを知っているか?』 アランの力を宿してるってことは知ってるけど。 「多少は」 『あれなるは、古き記憶…古き力…』 古い、記憶…古い、力…。 『久しい嘆願故、叶えてやらぬこともない。後で案内させよう』 ルナは、礼を述べ、部屋を後にした。