場違いな、レンガの柱の角を曲がると、青と金で模様が描かれた大きな扉があった。



 グイーは、左右にある扉の、片方を開けた。



「行かれよ」



 中は、真っ暗で、物音ひとつしない、正直に言えば不気味な場所だった。



『久しいな、人の娘(こ)よ…』



 声がした方は、何故か明るくて、玉座があった。そこに大男が座っている。


 巨人か?…否、巨人ではない。



 巨人なら、ちゃんと耳があるだろう。



 目の前の人物には、耳がなく、代わりにエラがある。