その声に振り向くと、一人の青年が立っていた。 「俺は風(グイー)。王の館の門番だ」 さっきの扉は、門だったらしい。 「関門突破、おめでとう」 グイー…風と書いて、そう読む。目の前の彼は、おそらく竜族だろう。 よく見ると、耳の先は尖っているし、耳のサイズは大きめ。 これは、太古より生き永らえる魔女よりも歴史の長い、竜族の特徴だ。