♪~♪~♪~♪
携帯が鳴り響く。
時間は日付が変わるか変わらないかの境目な時。
「もしもし…」
「おう…結乃…」
誕生日を迎えて1週間。
忙しくて誕生日も一緒にいれなかった廉からの電話だった。
いつもなら嬉しい電話だけど…
今日は様子が違った。
「今から出れるか?下にいる」
「今から行くね!!」
急いで家を出て、エレベーターでロビーに向かった。
息を切らしてロビーに行くと
大好きな廉が待っていた。
「悪いな…こんな時間に」
「あ…うん大丈夫」
2人で向かったのは近くの公園。2人の距離は微妙に空いている。
しずかな夜の街に足音だけが
カツカツと響き渡る。
「誕生日…おめでとう」
「ありがと…」
遅くなったな。
そう言って頭をポンポンしてくれる。
しばらく無言が続いて…………
廉が口を開いた。
「俺たち別れよう」
時が止まったみたいだった。
胸がドクンドクンと鼓動が早くなる。ただの倦怠期だと思っていた。
嘘だと言って?
今頭撫でてくれたじゃん。
「や…やだよ…」
自然と涙が溢れ、廉に抱きついた。いつもなら抱きしめ返してくれる廉も今日はしてこない。
あぁ…本当に別れようって
言われたんだ。
廉にゆっくりと身体を離されて
目を見つめた。
「ごめん…今の俺には抱き締めてやることはできねぇ………」
高校の時
あんなに仲良かったじゃん。
卒業式の後も
幸せだとか言ってたじゃん。
幸せにしてねって言ったじゃん。
全部全部嘘だったの?