長い長い式が終わり会場を出た。さっきの海斗と一緒に。
「龍神の人でもちゃんと夢あるんだね」
龍神の皆って不良の集まりだから夢なんて無いって思い込んでいた。
「ま~…ごくわずかに夢がある奴はいるよ~」
「そっか…てか、廉元気?」
廉の名前
1ヶ月ぶりに口にした気がする。卒業してからすぐ蘭と働きはじめて全然会えてない。
連絡も用がある時しかしなくなったし…働きはじめてから結乃がワガママを言うと悪いかなって思って、言いたい事も我慢していた。
「仕事忙しいみたいだな…龍神にも顔出さないよ」
やっぱり会える時間はだんだん
減っていくんだ。
心にポッカリと穴が開いたみたいに寂しい。