次第に揺れは止み、あたしは体を起こす。


「ユナちゃん……」


えっ?


顔を上げると、トロロがあたしのすぐ前に立っていた。







いつの間にか、ハヤトの格好から元のトロロの姿に戻ってる。



「早く……僕の手を取って?一緒に行こう……」



「あ……あたし……」



トロロの手を取ろうかどうか迷ってると……。








――ポツ、ポツ


と…、冷たい雨が空から落ちてくる。






うわっ……。


雨が……


雨が、降ってきた……。