――チリン、チリン……と、微かに……前によく聞いたことのある、鈴の音が聞こえてくる。





「……シュガー!?」


それは……


あたしが、失った……


前にダークネスに話していた、あたしの大切なペットの名前。


白くてフサフサの毛がトレードマークで、すっごくあたしに懐いてて……。


シュガーがいつも首にぶら下げていた首輪に、小さな鈴がついてたんだ。


その音が……


聞こえた、気がした。








「……ホラ、ご主人様の元へ……行ってごらん」


トロロがフワッと手を前に出すから、


あたしは思わず、それを受けとる素振りをする。


すると……なんだかズッシリした重みのある空気が、あたしの胸元に飛びこんできた。