「この魔界は……人間界の魂を保管する場所。いわば、死後の世界。

だったら、ユナちゃんの魂をここに閉じこめることさえできれば……いくらでも、僕の自由になるってわけ」


「な……なに、それ……」


「ユナちゃんの魂を使って、違う体で蘇生させることだって、できる」


「あたしの魂で……?むちゃくちゃ言わないでよ!あたしは……」


「ホラ……来てるよ……」






え……なに、が……?



トロロは頭上高くに手をかざすと、なにかを受けとるようにして、胸の前で大切そうに持ちなおした。



「いい子だ……わかるかい?あれが……ユナちゃんだよ……」



トロロは、なにも持ってないんだけど……まるでなにかを持っているかのように、優しく腕で包みこんでいる。