「ユナちゃんは、今までずっと、親に逆らってきたことなんて、ないもんね」


「そうだけど…だけど、それとこれは別…」


「同じなんだよ。ユナちゃんは、結局親の意見を尊重する」


「あたしは…絶対に、女優になる!なるもん!」


「フフッ、すごい自信だね。ユナちゃんがその気でも、未来は変えられないよ…」


「なんで…?どうしてそんなこと言うの?トロロはもっと優しいはずだよね」


「僕が…優しい?」


そこでトロロが鼻で笑った。







「僕は…魔界の大王の息子だからね。優しいなんて、ここではあんまり言われたことがないな」


「な…んなのよ。じゃあ、今までのは演技だったってこと!?」


「まあ…半分そうで、半分そうじゃない…。…少なくとも、好きな相手には本性が出るもんだよね」


そう言ったあと、クスリと笑った。