「そうだけど……」


「……僕は、ユナちゃんの未来を知ってる……」


「……え?」


「ユナちゃんは……これから、希望の大学に行って、バイトをしながら演劇の勉強をするけど……。

結局親に反対されて、その夢をあきらめるんだよ」


「な……。そんなの…ウソだよ」


「ホントだよ。できるだけ名の通った会社に入りたいって思って、親の言うままに生きるんだ」


「そんなことない!あたしは……自分の夢を叶える!ハヤトだって協力してくれるって……」


そこであたしはハッとした。


一週間前のあの日、あたしを車で送ってくれたときのこと。


ハヤトは、あたしを養成所の2番目のメンバーにしてくれるって言ってた。


だけどそれは……


昨日のことがなかったら、のこと。


あんなことになって…


もう、あたしだって…ハヤトのことを、頼り辛い。