櫻井くんが口を開いた。

「今まではリュウがいたから諦めてたけど……」

ドクン……


心臓が大きく跳ねる。



「俺なら、石川のこと泣かさない!!この間のリュウみたいなこと、絶対しない!」


櫻井くん……



その気持ちは嬉しいよ。

私にはもったいたいことばだよ。




でも……


『里美が泣くところ…見たくねぇんだよ……』



この間のリュウのことばと


あの悲しそうな表情が、頭から離れない。



告白は嬉しいけど……



やっぱり、まだ私はリュウが好き。


リュウは私のこと嫌いでも


私は好きだから―――!


こんなに未練残したまま他の人と付き合うなんて出来ない。