腕を掴んできたのは
リュウだった――――
そのときのリュウの瞳は
昔と同じ
瞳だった………
あの……
優しい―――――…
「お願いだから……泣かないでくれよ……」
リュウ……?
「お前が泣くところ…見たくねぇんだよ……」
そう言ったリュウの顔は
いまにも泣きそうな顔だった。
リュウ……
違う……
変わってなんかない……
全然変わってない…!
心は
昔のままだ………
リュウは教室をでて行ってしまった。
そのときのリュウの背中は
一年のころ
総体での試合で負けたときの背中に
とてもよく似ていた。
リュウ
私、
やっぱりまだ
あなたのこと
好き―――――