あたしが何も言えず、視線を下に向けていると聖奈は話し出した。
「街で大貴と会ったみたいね。それは別に責めない。高橋くんは、最っ初から見てたらしいの。李空が大貴に会って涙を流したところも、大貴が李空を抱きしめてたところも・・・。実はね。その日の夜。あたしの家に高橋くんが来てね?話してくれたの。悔しかったみたい。付き合ってるはずなのに、李空が遠く感じるって。本当はオレより、あの先輩がいいのかなって。オレだけが・・・好きなのかなって。初めて見た、高橋くんの・・・あんな表情。大貴とヨリを戻すならあたしは何も言わないわ。でもね。ちゃんと話し合って決めてね?好きなのは、李空だけじゃなかった。李空以上に高橋くんも考えてた。大好きな李空の事。分かるよね?李空の今のその想いと大貴に会ったその時の想い。ねぇ、李空。そろそろ答えを出してもいいんじゃないかな?」