「なんで、空見てるの?」


「好きだから…ただ、それだけ」


空が好きだから、か。


空を見ているときの瞳は凄く優しそうな瞳をしている。


「好きだから、か…」


「なんか言った?」


「いや?」


安澤は凄く不思議そうな顔をしていたけど、すぐに視線を僕から空に移した。


僕が…映るのはこんくらいだけ。


だから、僕は安澤を絶対に僕から視線を外せないくらい…好きにならせてやる。