その日の授業は当然ながら頭に入らなかった。
先生の言っていることは右から左へと受け流し....
今日何回目かも分からないため息をつきつづけた。
そして、窓側の私の席に夕日が差し込むころには放課後になっていた。
部活動を始める生徒、手をつないで帰っているカップル。
私だけなのかな、こんなにも寂しいのは。
校庭にいる人はみんなきらきら輝いていて....。
「穂乃花~。ごめん、先生の話長引いちゃってっ。」
「いいよー。どうせいちゃついてたんでしょ?」
開け放されたドアから親友の加奈が入ってきた。
「....ばれた?まあね、一週間のうち水曜日しかこうして話できないからね。」
なんて、調子のいいことを言っている。