桜のつぼみも膨らんで門の前で初々しく写真を撮る新入生たち。
「さすが、この高校は春がきれいだな...。」
「だね、今度は拓海と同じクラスになれるかな~?」
私は期待に胸を弾ませながら、クラス掲示板の前に走っていく。
「おいっ、待てって!ったく..。」
呆れながらもついてきてくれる拓海。
さすが、私の幼馴染だ。
目の前に広がる人だかりの渦。
「み、見えない・・・。」
「もう少し空いてからでもいいじゃん。・・・まさか、」
「えへへ。朝比奈ほのかただいまから強行突破に参ります。」
私は人だかりに突っ込んでいった。
はい、かなり迷惑な女です!
「すいません、すいませんっ。」
謝りながらも順調に前に進むことができる。
あともう少し・・・
白い紙が視界に入るようになってきた。