お母さんが用意してくれたジャム付きの食パンを口に加えて鞄を持つ。 「ひっへひはふ(行ってきます)」 「もう、穂乃花ったら…。」 お母さんのあきれ声を背中に外へ出た。 「はふいは(寒いな…)」 モグモグと口を動かしながら通い慣れた道を歩く。 昨日失恋して、拓海には会いたくない所だけど今日は学校。 近々テストあるし、行かねば… 「はふひほ、ははー!(拓海のバカ)」 そして自分の口から出た拓海と言う響きに胸がときめく。