「空耳じゃないし!私、ほん……」


「止めとけ。」



私が最後まで言い終わらないうちに拓海が口を挟んだ。


キッチンからココアの香りが漂った。




だって、大切な幼なじみ…いや好きな人を助けたいと思うんだよ。



この気持ちは普通だよ……。



おかしくない。



「同情とかいらないから。お前はお母さんが稼ぐからいいよな…」


「っ……!そんなこと」



「ないとは言わせない。俺は俺の事情があるの。それに……」



拓海は2つのココアの入ったマグカップを運んできた…



いい香り…